現在、複雑化する社会の中で、心理的課題を抱える方が多くなってきました。臨床心理士とは「心の問題」を抱えた人に接しながら、その人の問題点を明らかにし、その人に合わせた改善方法を見つけ、問題解決の手助けを行う専門家です。当院では、「森の相談室」を設け、患者さんご本人やご家族の方、当院のスタッフのメンタルサポートを行っております。
長期的な治療が必要な病気にかかるということ、それ自体、患者さんやご家族に大きなショックと混乱を与えます。
「なぜ、自分がこの病気にならなければならないのか?」
「なぜ、これほどに苦しい思いを抱えなければならないのか?」
答えの出ない思いを抱えつつ、ぶつける先も無いまま、治療に取り組まなくてはならなくなります。また、ご家族も患者さんの苦しみを理解しつつも、どのように関われば苦しみが軽減できるのかどうしていいのかわからず、患者さん不在の家庭を切り盛りしながら、治療を支え続けるようになります。
「生命を脅かす疾患による問題に直面している患者とその家族に対して、疾患の早期より痛み、身体的問題、心理社会的問題、スピリチュアルな問題に関してきちんとした評価を行い、それが障害とならないように予防したり対処したりすることで、(※)クオリティ・オブ・ライフ(QOL)を改善するためのアプローチである」
WHO(世界保健機構)では、病気に対するケアを「緩和ケア」と呼び、このように定義しています。「緩和ケア」というと治療が終わり、痛みと気持ちに重点を置かれたケアだと思われがちですが、緩和ケアとは「その人らしく生きるための心と体のケア」なのです。マサチューセッツ総合病院で行われた研究で、がん患者さんに緩和ケアを行ったことにより不安や抑うつの低下だけでなく、延命効果もあることが認められました。緩和ケアが積極的治療をより効果的にしたということなのでしょう。
身体と心の苦痛を取り除き、病気や介護と付き合いながらより豊かな生活を送ることができるよう森の相談室ではサポートしています。森の相談室は平成21年3月から週1回半日からスタートし、現在は月・水・第二、第四土曜日に開室しています。お気軽にご相談ください。
当院の医師・看護師や受付スタッフに「森の相談室」の予約希望の旨をお伝えください。
本館2階 リハビリテーション室の向かい側(看板がございます)