呼吸器内科

呼吸器病棟(40床)は、一般病床32床と結核病床8床からなり、入院での診療内容は肺炎、肺癌、肺結核、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、呼吸不全等が中心となっております。外来は風邪、気管支炎、気管支喘息等の疾患や、肺癌の外来化学療法まで幅広く診療を行っており、気管支喘息に対する治療では吸入ステロイドを中心に持続型気管支拡張剤との合剤やロイコトリエン受容体拮抗薬などの抗アレルギー薬、抗IgE抗体療法などを行っております。胸部異常影精査の依頼も多く、画像診断、気管支鏡、CTガイド下経皮生検などを速やかに行い、迅速な治療へ繋げております。呼吸器外科は、呼吸器内科と連携し、肺癌を含む呼吸器疾患の手術を行います。肺癌に対しては、根治術の追求とともに、患者さんの術後の生活の質(Quality of Life:QOL)の確保を目指して治療を行っております。

  • 日本呼吸器学会認定施設(認定番号第97464号)
  • 日本外科学会外科専門医制度指定施設(指定番号第130178号)

代表的な疾患

肺炎

肺炎とは、主に最近やウィルスが肺に感染して炎症を起こす病気です。病原微生物の多くは空気と一緒に体の中へ入ってきます。通常は、人の体に備わっている防御機能が働くことで、これを排除しています。しかし、何かしらの原因で抵抗力が落ちていると、病原微生物の感染力が上まわり、肺炎となります。現在、高齢者の増加に伴い2012年の統計では脳血管疾患を抜いて、日本人の3大死因の一つとなりました。

肺癌

肺癌は、現在日本における癌の罹患数が男性2位、女性4位となっており、頻度の高い癌であります。
症状は、初期では無症状のことが多いのですが、癌が増大すると咳嗽、喀痰、血痰などの症状が出ることがあります。
検査は、病理検査、がん遺伝子検査と画像検査に大きく分かれます。病理検査は喀痰細胞診や気管支ファイバーやCTガイド経皮肺生検などの検査があり、病理検査の結果により癌細胞を用いてがん遺伝子の検査を追加することがあります。画像検査では、胸部レントゲン、胸腹部CT、頭部MRIやPET-CTなどの画像検査を行います。これらの検査により、手術、放射線療法、抗癌剤治療などの治療方針を決定します。

慢性閉塞性肺疾患(COPD:Chronic Obstructive Pulmonary Disease)

慢性閉塞性肺疾患(COPD:chronic obstructive pulmonary disease)とは、慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれてきた総称です。タバコを主とする有害物質を長期に吸入曝露することで生じた肺の炎症性疾患で、喫煙習慣を背景に中高年に発症する生活習慣病といえます。症状としては、歩行や階段昇降など、身体を動かしたときに息切れを感じる労作時の呼吸困難や慢性の咳や痰が特徴的です。

結核

結核は、結核菌という細菌が体の中に入り、増殖することによって起こる病気です。日本では、結核の約8割が肺で発症しますが、肺以外の臓器が侵されることもあり、腎臓、リンパ節、骨、脳など体のあらゆる部分に影響が及ぶことがあります(肺外結核)。初期の症状は風邪と似ており、咳、痰、発熱(微熱)などの症状が長く続くのが特徴です。さらにひどくなると、だるさや息切れ、血の混じった痰などが出始め、喀血(血を吐くこと)や呼吸困難に陥り、死に至ることもあります。
当院では結核病棟を完備しており、専門的な治療も行っておりますので、疑わしい症状があれば、ご相談ください。

結核について